μύθος

とある言葉が、外国語の訳語だったことを知って、ちょっと意外、と思うことがありますね。 「神話」という言葉が、ヨーロッパ語の訳語なんだそうです。 Myth(英)、Mythe(仏)、Mythos, Mythus(独)…… で […]

 

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とある言葉が、外国語の訳語だったことを知って、ちょっと意外、と思うことがありますね。

「神話」という言葉が、ヨーロッパ語の訳語なんだそうです。
Myth(英)、Mythe(仏)、Mythos, Mythus(独)……

で、語源的にはギリシャ語のμύθος(ミュトス)で、
λόγος(ロゴス)とともに「言葉」という意味で使われていたんだそうです。

ふたつの用語があると言うことは、

「言葉」=ミュトス+ロゴス

みたいな状態だったのでしょう。
調べてみると、ミュトスは「おはなし」でロゴスは「論理」を指す用語だったそうです。

ドイツのギリシャ神話研究家ヴァルター・オットーという方によると、

ロゴスが「考えられ、意味深く、説得的な」言葉であるのに対し、ミュトスは「生じたことや生じる定めになっていることについて」の言葉

ということです。
「事実を報じ、あるいはそれを述べることによって事実となるに違いない言葉であり~」ともあるので「報道」なんかも、ミュトスなんですかね?

ハナシがソれますが、この「生じる定めになっていること」という部分は、諸星大二郎「マッドメン」のとあるシーンを連想させて、ちょっと面白いフレーズだなと思います。
神話が発動されてしまうと、その神話の筋書に沿って、本人たちの意志やイデオロギーとは無関係に、神話内での役割を果たしながら物事が進行していってしまう。

「生じる定め」に「なっていること」
抗(あらが)えないカンジが、何ともいえないですね。

妄想しすぎ!?
「マッドメン」もそうですが、カレル・チャペックの「絶対子工場(絶対製造工場)」「山椒魚戦争」とか、手塚治虫「人間ども集まれ!」など、怒濤のように物事が進んでいってしまう物語、好きみたいです。