遺憾の石

1万2000年以上も前の石に刻まれた、恐竜と共存する人間の絵 ペルーのナスカの地上絵から、北西に約200km離れたところにある街「ICA(イカ)」。 1961年にイカの町に降り注いだ集中豪雨は、大量の土砂を押し流していっ […]

 

1万2000年以上も前の石に刻まれた、恐竜と共存する人間の絵

ペルーのナスカの地上絵から、北西に約200km離れたところにある街「ICA(イカ)」。
1961年にイカの町に降り注いだ集中豪雨は、大量の土砂を押し流していった。その結果、大雨に洗われたイカの地からは、太古のものと思われる、不思議な線刻石が顔を覗かせることになった。
石の大きさは、小さなものでは手のひらに乗るくらい。大きなものは1メートルほどもあり、材質は安山岩であった。
そしてそれらの石には、恐竜、そしてそれを狩る人々、彗星、外科手術の様子などが刻まれていた。

南米ペルーの内科医ハビエル・カブレラ博士は、この線刻石を15000点以上にわたってコレクションした。
年代測定をしてみると、1万2000年以上前のものだったという。

イカの石
イカの石(カブレラ・ストーン)の模写

これが、イカの石またはカブレラストーンと呼ばれる、オーパーツの概要です。
初めてこの石の話を読んだ時には、心が踊りましたねー。

この線刻石、面白い図案がたくさんありまして、「カブレラストーン」などでググると、画像が沢山出てきます。
描かれている世界観。なんとなくそそるものがあります。
せっかくすごい技術を持った太古の人類なのだから、幼稚な感じのタッチではない絵を残して欲しかった気もしますが。


心躍る恐竜狩りのシーン

冒頭の絵は、この石に刻み込まれた図案の模写を載せています。鉛筆で真似した書いた絵をトレースして、それっぽい画像に加工しています。

ココペリの笛を望遠鏡に持ち替えたような人物が、奇妙な翼竜チックな乗り物に乗っています。
一人はその翼竜から命綱を使って飛び降り、アパトサウルスの第二の脳へ一撃を食らわせています。

半機械化した翼竜サイボーグ飛行機に乗り込んで、恐竜を狩りに!
そそる!


疑惑

ただね、この石に刻まれている恐竜の姿が、なぜか全て60年代当時の復元図に基づいているんですよねー。
ティラノサウルスっぽい恐竜も描かれているのですが、完全に昔の復元図の「ゴジラ立ち」と呼ばれる姿。
「この石、嘘かな」って、その時感じました。

アパトサウルス(ブロントサウルス)も、今は首と尾でバランスを取るような姿で復元されています。冒頭の模写のように、ネッシー風に首を持ち上げたりする姿は、懐かしい怪獣っぽい感じ。

ちなみにこのオーパーツは、一般的にはインチキとして決着がついているようです。
年代測定の方法がいい加減だとか、彫刻の彫りが鋭すぎて古いものではありえないとか、贋作者が名乗り出てきたりして、製法もだいたい解明されているようです。
すこしガッカリなり。