ルーシー・イン・マイ・ハウス
夢にルーシーが出てきた。 ルーシーというのは、アウストラロピテクスの化石人骨だ。発掘された当時、ビートルズの「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ」が流行っていて、テープレコーダーから繰り返しこの曲が流れてい […]
夢にルーシーが出てきた。
ルーシーというのは、アウストラロピテクスの化石人骨だ。発掘された当時、ビートルズの「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ」が流行っていて、テープレコーダーから繰り返しこの曲が流れていたので、「ルーシー」と呼ばれるようになった化石だ。
そんなルーシーが夢に出てきた。
ルーシー:「ドコサヘキサエン酸が切れてしまったの。悪いけど、帰りに買ってきてちょうだい」
わたし:「ああ、分かったよ、ルーシー」
外出して、帰ろうとしたとき、ルーシーの言葉を思い出した。
ドコサヘキサエン酸を買わなければ……。
しかしどこに売っているのか、全く見当がつかなかった。仕方がないので、近くの食料品店で訊いてみることにした。
わたし:「すみません。ドコサヘキサエン酸って、ありますか?」
食料品店主:「?ドコサ……エン酸? そういったものは置いてないなー」
こんな風に、何軒かのお店を訊ねてまわった。
3軒目。
店員:「あぁ!ドコサヘキサエン酸って、DHAのことですよねぇ。向かいのコンビニで売っていたんじゃないかなぁ。そっちで訊いてみてよ」
コンビニで訊ねてみると、サプリメントの棚に案内され、DHAという瓶を手渡された。それを買って帰ることにした。
家に帰り、ルーシーにDHAの瓶を手渡すと、あきれられた様なヘンな音のため息をつかれた。
ルーシー:「もう少し、社会常識的なものを身につけて欲しいものだわ……」
わたし:「あ、ごめんね。それじゃない?」
ルーシー:「スーパーで、シーラカンスの切り身を買ってきて欲しかったのよ!」
わたし:「あ、そゆこと? じゃちょっと買ってくるよ」
ルーシー:「んー。明日でイイから」
そして、何ともいえない優しい目でこちらを見てから、
ルーシー:「もう少ししっかりしないと、絶滅しちゃうわよ」
とほほえんだ。