けなげ→ゲノム→無駄→ダメ人間……

ボウフラが湧いた水を、ミジンコがいる水槽に入れると、ミジンコは頭としっぽをとがらせるのです。 少しでも捕食者に食べられにくくしようとする、けなげな努力。泣けます。 でもボウフラは、頭のとがったミジンコも食べちゃいます。泣 […]

 

夜の机のモロッコニテス
夜の机のモロッコニテス

ボウフラが湧いた水を、ミジンコがいる水槽に入れると、ミジンコは頭としっぽをとがらせるのです。
少しでも捕食者に食べられにくくしようとする、けなげな努力。泣けます。
でもボウフラは、頭のとがったミジンコも食べちゃいます。泣けます。
ただ、少しは食べにくいでしょうね。そう信じたい。

 

三葉虫は、古生代の約3億年という長い期間繁栄したグループです。数万種の化石が発見されています。数万種というのは、他の一般的な古生物の中でも群を抜く、一大生物グループです。

しかし、三葉虫は登場した時から、どうやらより大型の動物の格好の餌食となっていたらしいのです。捕食者にかまれた跡がある化石も多数見つかっているようです。
三葉虫自身は、何を食べていたのでしょう?
海底のドロ……そんな種類が多いみたい(ドロを口に取り込み中の有機物を食べる、ということです)。

 

三葉虫の姿を、時代順に並べていくと、進化が進むにつれてトゲトゲしたヤツが多くなっていきます。これ、多分「けなげな」防衛作戦の結果なんだと思います。
とがったヤツは、食われたけれども、とがってないヤツより少し多く生き延びた。そんなコトが何世代も積み重なって、よりとがった子孫が種を形成していく。

三葉虫とモノケシ
おすまし三葉虫とモノケシ

 

みんなに食いモノにされる三葉虫は、けなげに生き、そして大繁栄した。泣けます。
なんて、弱っちくて、けなげで、イトヲしいヤツ!

 

よし!私もとんがって生きていこうと思うよ。

 

夜中に化石を眺めては、そんなことを考えたりします。

 

 

ちっちゃいやつを見下すナぃ!
ヒトのゲノムはサイズばかりデカイくせに、遺伝子の数は23000。ミジンコは31000だからな!ミジンコやサンヨーチューに優っていると思い込んだような発言は、人間の傲慢というものだと思うよ。

シマネコ


※シマネコが言うように、そういえばミジンコのゲノムって、200メガ塩基対というコンパクトサイズになんと31000ほどもの遺伝子があるらしいのです。ヒトのゲノムサイズは3ギガ塩基対(ミジンコの約15倍のサイズ)の中に遺伝子は23000くらい(ミジンコの74%程度)しかないそうで……。つまりジャンクDNAだらけ……?!
また、ミジンコの素晴らしい適応能力は、冒頭の対ボウフラ作戦だけでなく、例えば高濃度カドミウムが含まれた水の中では、カドミウム耐性をものすごく発達させることなども知られているようです。ミジンコすごいね。