Yukky×Zaza対談:制作を振り返る(2/2)
Yukky×Zaza対談:CD「ヴィマニカ・ヴィマニカ」制作を振り返る(2/2) Yukky×Zaza対談、前回からの続きです。 ■撮影 Zaza──Triangle March の場合、「世界」を作って発 […]
Yukky×Zaza対談:CD「ヴィマニカ・ヴィマニカ」制作を振り返る(2/2)
Yukky×Zaza対談、前回からの続きです。
■撮影
Zaza──Triangle March の場合、「世界」を作って発表するってことで、音楽だけじゃなく、視覚的なところの表現も作品として重要視しているんだけど……それにまつわるハナシ……撮影のハナシかな、それをしていきましょう。
Yukky──撮影の日は、すごい雨が降ったね。スゴかったよね。
Zaza──大雨だった! 私は荷物を持って、入らなければいけなかったんだけど、雨に濡れるし、搬入作業で汗かいて、その段階でずぶ濡れでしたよ。
Yukky──帰りも雨だったし。
Zaza──水浸しの一日だったな、って。Yukky と Yulee が(撮影現場に)入る時も、降ってた?
Yukky──降ってた、降ってた。もー一日中雨だったよ。あんな曲書くからだよ(註:⑨ギルガメッシュ・ショック(作詞:Zaza/作曲:Yulee/編曲:Yulee, Zaza)のこと/内容が大雨の歌)。
Zaza──撮影は、もともと3人で集まれる機会があまりなかったから、そういう意味ではメンバー3人が集まれて良かったな、ってのはあるね。
Yukky──そうね。貴重だった。
Zaza──グリーンバックで、カメラマンなしっていう、すさまじい撮影だったね。
自動シャッターで。2秒ぐらいで勝手にシャッターが切れるようにしておいて、グリーン背景の前で3人で動きながら。
Yukky──結構すごい枚数だったね。
Zaza──こんな撮影の仕方、あんまりないんじゃない?
Yukky──とりあえず、みんなで撮ろうよ、的な、ね。それで、時間もあんまりなかったんだよね。
Zaza──決められた時間内に、すべてのページ分の撮影を終わらせなければならなかったから。
撮影時間に加えて、緑幕を張るところからスタートだからね。結構タイトだった。
Yukky──なんとか1日で終わってよかったね。衣装とか、事前に買いに出かけておいて。
Zaza──そうだったね。撮影の何週間か前にね。
こんな感じの衣装にしたいって Yukky に相談して、原宿の古着屋さんとか回って……
Yukky──古着屋さんは、安くていろいろあるから。
Zaza──古着屋さんなんてはじめて入りましたよ。
あと、衣装として、袴を取り入れたのが面白かったかな。多分スタイリストさんがいたら、あの段階でダメ出し食らいそうなアイディアで、第三者スタッフがいたら苦労したんじゃないかと思う着想だったね。
Yukky──うん。そうかもね。
Zaza──ただ、画像が出来上がってみて、ポンチョやらと組み合わせた姿を見ると、あのシルエット自体が若干ヴィマーナの形を想起させるんだよね。鳥の形のね。
やっぱ全体を見てくれる人と組まないと、理解してもらえないとこだよねーって、ジャケットを作りながら思ったよ。
Yukky──袴だけど、ぱっとみて、そんなにオカシクはないよね。と、私は思うよ。
Zaza──それは良かった。ちょっと考え過ぎかな。……撮影も、レコーディングみたいに、自分たちでやってよかったなって思ってたんだよ。理解してもらうのが大変そうでね。
Yukky──まー、あまり細かく決めずに、やっていけるから、それがいいのよね。
Zaza──いやいや、私は結構考えながら進めていたんだよ(笑)
Yukky──そう? 私、あんまり緻密に考えて物事進めないから。
なんか、意味とか、あまり考えすぎるのは良くない面があるでしょ。パッと決めて、それから意味を考えるくらいがちょうどいい時もある。
Zaza──そうだね。策士策に溺れるってこともあるからね。
Yukky──すべてのことがそう。考えすぎるとうまくいかないってこと、私はよくある。
Zaza──(笑)そうなの?
Yukky──昔……中学生の頃とか、考えすぎて、慎重に生きていたんだけど、ある日「そういうのバカらしいや」って思って。もともと直感派だったのに、それじゃダメなんじゃないかっていう真面目な部分もあったんだよね。でも、あれこれ考えるより、直感で動いたほうがうまく流れるって、自分の統計的に出てる。
Zaza──(笑)統計的に!?
Yukky──そう! 考える事、考える事、全部空回っていて、なにもうまく行ってないや、ってね。あと、人にあれこれ言われるのも、人は人、自分は自分で、それぞれの立場があるから、参考になる部分はあるけど、ひとつの意見でしかない。「私は私だ」といい意味で吹っ切って生きてきたら……こうなっちゃったんだけど、いい生き方なんじゃないかと思ってる。一番自分らしいっていうか。楽しく生きれている気がするよ。
Zaza──面白いね。下手な考え休むに似たりってね、あんま考えすぎるのも良くないかもね。
Yukky──うん。空回っちゃうんだよね。そして、それが人に伝わっちゃう。わりとナイーブなところがあって、顔に出ちゃったりする。だから大胆に行動していこう、と思っている。ダメならダメでいいやぐらいな気分で。
Zaza──ふーん。
Yukky──そういうノリみたいなのもあって、Triangle Marchやりましょって言われた時に、乗っかったってのもある。
Zaza──ん? うん、すぐにOKしてくれたもんね。
■完成した実感
Yukky──でも、なんか、すべてが手作りな感じだったよね。
どうなるのかなーって思っていたけど、こうやってCDになったところを見ると、あーちゃんと形になったなーって実感がわきますね。
Zaza──なんとか、やりとげたね。
Yukky──時間はかかったけど……
Zaza──あーすいません。
Yukky──いやいや(笑) 時間かかるのはしかたがないけど、こうやってCDになると、「あーやっとできたぁ」って。ちゃんと形になると、達成感はあるね。
Zaza──まあね。
Yukky──あー、できたーって。
途中さー。いつ出来るんだろう? って雰囲気の時期あったよね。タロットとかで、変な結果が出たりして。
Zaza──あー! 大アルカナ22枚を使って、一枚カード引いて占うって感じの!
あん時、私がメチャクチャ悪いカード引いたんだっけ?
Yukky──そうそう「いつまでたっても仕上がらない」みたいな感じの。
Zaza──あん時、ちょっと凹んだわ。
Yukky──私は前向きな感じのカードだったんだよね。
Zaza──そうそう Yukky は良かったんだよ、確か。
Yukky──「これ、ホントに、いつまでたっても終わらないんじゃ」って、ちょっと不安な感じになったね。
Zaza──最終的に、どっちかが良ければ、それでイイんじゃない、とかなんとかで心の奥に収めたけど。Yukky に託すわ、みたいな感じで。
いやー、ちょっとねー。ミックスがここまで時間がかかるとは思っていなかったので。
曲と歌詞は、えらく短期間に出来たからね。
Yukky──うん。
Zaza──途中ちょっと、スタジオを出て、自分たちで録音するかって時に、活動資金や機材を調達したりで中断しちゃったけど、録音もコンスタントに進められたしね。
Yukky──まぁ、私は歌を歌っただけで、ミックスのお手伝いをしてあげられるわけじゃなしし、大変だっただろうなって。
Zaza──ホント、時間かかってしまってごめん。
Yukky──というか、こちらこそ何の力にもなれず、すいません。
■ミックスなど
Zaza──美術のデッサンってあるでしょ。あれ、球体描くときに、絵が下手な人でも「丸くなれ丸くなれ」って念じながら描くと、それなりに球体になるんだよね。ミックスは、初挑戦だったこともあり、その「デッサンで念じると上手く描ける」理論を使って、「Yukky の歌が良く聴こえるようになれー、音がきれいに聞こえるようになれー」って念じながらミックスした(笑)
Yukky──ふーん。
Zaza──あと、世界観もあるしね。「この世界が、みんなに見えますように」とか「Yukky の歌が限りなく輝きますように」とか、念じながらミックスしたね。
まあこうして出来上がって、結果、人からどんな評価を得るか分からないんだけれど、自分たちとしては、取り組んだ意味はあったなって。
Yukky──うんうん。そうだね。
Zaza──あのね、ちょっと分かってもらいにくいハナシかもしれないんだけど、マスタリングって作業があるのね。ミックスした音を、最終的にCDで聴くときの音にする作業なんだけど。まぁ、関係ない人からすると、分かりにくい地味な工程なんだけど、あれで劇的に音が変わるんだよね。マスタリングって、大事だなーってこともはじめて知った。
Yukky──へー。ふーん。
Zaza──次回は、多分もっと上手く出来る気がする!
Yukky──今回は、すべてが初めての体験だったわけでしょ。それで手探りで色々やって、それで次やるときは、もっと効率よくできるようになっていると思う。やりやすくなっていると思う。
Zaza──だね。
Yukky──だから、今回全部自分たちでやって、すごい良かったと思う。他の人に協力してもらってやるのもいいけど、自分たちだけでやったことは、今後いい方向に向かうと思う。
Zaza──Yukky の、なんていうか楽観主義というか、そういうのには救われる気がするね。何相談しても、「いいんじゃない?」ってね。
Yukky──あはははははは!
Zaza──その「いいんじゃない?」に勇気づけられますよ。あれこれ考えていて煮詰まっている時なんかにね、相談して「いいんじゃない?」って言われると、少し進む、っていうね。
Yukky──あれこれ悩むのが好きな人もいて、それはそれでいいけど、私は直感で。考えすぎて「あー、もう死んでしまいたい」ってところまで悩むのも必要な人はいるのかもしれないけど、私には無意味。
まーこんなだから、一緒にこのプロジェクトやれたのかもね。
Zaza──うん。そうかも。
私はあれこれ考えて悩むけど、可能性で悩んじゃうんだよね。進むべき道がたくさんあって、どれも楽しそうで、どう進んだらいいのかなって。可能性を絞り込むのが難しいんだよね。楽しそうなたくさんの道を、自ら閉ざす作業だから。
■物語と歌
Zaza──完成した物語、まだ読んでないでしょ。こんな感じにつじつま合わせしたのかーってとこもあると思うから、全体通して読んでみてね。
Yukky──うん。でも、やんわりとしか分からない思う。なんというか、(SFとか古代文明とか神話とか)そんなに興味ないし、完全には理解できないんだと思う。
そういうのが好きだったら、また違う感じの歌(い方)になったんだろうし。
Zaza──あー、そういう面、あるかも! でも、Yukkyに歌ってもらって、ホントに良かったと思っている。淡々としているから面白いと思うの。この感じはYukkyじゃなきゃ出なかったと思うんだ。(SFとか古代文明とか)そういう世界が好きで、熱く歌われると、それは違う感じがするし、世界をよく分かっていて入り込みすぎていると、引いてしまう。そんな気がする。
この世界に対して、Yukkyが適度な距離感を持っていてくれたおかげで、逆に世界を盛れたって感じもあるし。
Yukky──歌い上げる人って、自分の上手さを分かっているんだと思う。私は、歌、下手だし。
Zaza──いやいや。
Yukky──ううん、下手なの。だけど、自分なりの歌い方ができるか、歌の中に自分らしい……ソウルなのかスピリットなのか……を込められたらな、って思ってはいるよ。
Zaza──素晴らしいね! 次回作以降の構想もあるので、よろしくね!
Yukky──あいよ!
この後、Yukkyの描くイラストのハナシなどに話題は移ってゆきました。その話は、また別の機会にお伝えします。
(2013年7月28日/東京都某所にて)
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