ハウス・ヴィトゲンシュタイン
デレク・ジャーマン監督の「ヴィトゲンシュタイン」という映画DVDを見ています。 英国に立つヴィトゲンシュタイン少年のもとに、全身緑色で、頭には先が丸い触角。鉄琴を背中からはやした怪人物が現れる。 「こんにちは。地球人」 […]
デレク・ジャーマン監督の「ヴィトゲンシュタイン」という映画DVDを見ています。
英国に立つヴィトゲンシュタイン少年のもとに、全身緑色で、頭には先が丸い触角。鉄琴を背中からはやした怪人物が現れる。
「こんにちは。地球人」「地球人?」
ヴィトゲンシュタイン少年はちょっと訝りながら答える。
「僕は哲学者。ヴィトゲンシュタイン。
あなたは?」
「ミスター・グリーンとお呼び」
そして、緑の怪人物はこう続けた。
「質問していいかい。哲学者の足の指は何本?」あまりにも当たり前すぎる質問に、ヴィトゲンシュタイン少年は、
「10本」
と間髪入れずに答える。「じつに面白い。人間と同じじゃないか」
と、ミスター・グリーン。「哲学者は人間なんですよ。指の数くらい知ってる」
ヴィトゲンシュタイン少年がそういうと、ミスター・グリーンは残念そうに言った。
「それじゃあ、火星人は哲学者になれないのかい」
いわゆる伝記映画ではなく、デレク・ジャーマン監督独特の映像美が溢れた、面白い映画です。いわゆる伝記映画ではないけれど……大胆に誇張しながら実像にせまるカンジの、ひょっとしたら他の伝記類よりずっと核心を突いているかも知れない作品。
独特なミョーなツボがあって、所々笑いながら楽しみました。
写真は、実は1~2年前にヴィトゲンシュタインの家に行ってきたので、その時のものです。