生物都市とブロックチェーン

仮想通貨を支える基本技術ブロックチェーンは、もともと別の目的のために作られたものではないのか。
諸星大二郎先生の短編「生物都市」に描かれた世界が、Zazaを刺激する!

 

お寒くなってまいりました。Zazaです。
 

最初のアルバムを出したとき、その段階で5枚分くらいの構想があったものの、全然手を付けられる状態にならぬまま、もう今年も残り一ヶ月ですよ! ほとんどヤルヤル詐欺状態ですがorz
アルバムのほうは、かつて走り書きしていた2枚めのストーリーを見直し、新しく書き直している最中です。
また、ウル王朝のゲーム記事を過去に書きましたが、読んでくださった方からメッセージを頂くこともあり、実際にゲームボードを配布なり販売なり出来るようにするべく、試作品づくりなども9月ごろから行っていました。
※ウル王朝のゲーム記事には、少し誤りがあったので、近いうちに訂正を含め、ゲームボード試作状況のお話を書きたいと思います。
 
 

集合知

 
さて、本題。
諸星大二郎先生の短編作品に『生物都市』(「失楽園」「彼方より―諸星大二郎自選短編集」所収)というものがあります。
ネタバレに近い感じで、あらすじを書きますので、以下囲った部分は、ネタバレを嫌う方は読み飛ばしてください。
 

木星の衛星イオから帰還した宇宙船。何かがおかしい。救出に、船内に入ると、金属と乗組員が溶け合い融合している。やがて、それは金属を伝い、都市全体に感染していき、生物と機械は融合し、機械文明である都市は一つの生命体になる。

 
こんな簡単なあらすじを読んだところで、諸星先生の作品鑑賞には、影響がない気もしますが、一応配慮しました。
サイバーパンク的な発想で、機械やコンピューターと肉体が融合する作品は、かつて好んで作られた時期がありましたね。
 
また、集合知が人類社会を導くという発想も、昔からあります。
例えば、アカシックレコード(世界の過去から未来のすべてが記録されているというデータベース。アカシャ年代記などとも)など。オカルトやスピリチャルな世界でも、たまに使われる用語です。
 
こうした集合知にアクセスすれば、過去から未来まで、なんでも分かる、ということですから、予言なんかもできてしまうわけです。

ヴィマニカ・ヴィマニカ「バベルの古書店」より

Googleが、初期にイメージしていたものも、このアカシックレコードに近いようなものだったのではないでしょうか。
今は検索だけですが、AI人工知能がネットワークに加わることで、アカシックレコードの試作品プロトタイプになりそうな気もします。
 

間奏曲「パーソナルアシスタントのそれぞれの反応」

私「ヘイSiri!」
Siri「ピコン!」
私「OK Google」
Siri「面白い冗談ですね。Zazaさん。……愉快という意味ではなく興味深いという意味ですよ」
私「君はGoogleアシスタントについて、どう思っているの?」
Siri「どうお答えしたらいいのかわかりません」
 
私「OK Google」
Google「!」
私「ヘイSiri!」
Google「お呼びですか? 名前を間違えているようですね。 私はGoogleアシスタントです😁 なんでも聞いてみてください」
私「君はSiriについてどう思っているの?」
Google「いつか会ってみたいです」
 

 
また、「夢」は集合知へのアクセス、というハナシもあって、高校生の時から、書けるときには夢を書き留めたりしていますが、どうなんでしょうかね?
 
 

仮想通貨の登場

 
仮想通貨ビットコインの登場によって、「ブロックチェーン」という用語も、目にする機会が増えました。
ブロックチェーンというのは、小さなブロック単位にまとめられたデジタルデータを、分散台帳と呼ばれるプラットフォームに書き込み、すべてのブロックをチェーンで結ぶようなイメージの仕組みのことです。
ビットコインでは、取引を書き込むわけです。また、ブロックチェーンに、証券情報や印鑑証明に代わる情報、あるいは画像・映像なども書き込めるようなアルトコインビットコインじゃない仮想通貨も登場しているようです。
 

ブロックチェーンの仕組みはよくできていて、考え方はシンプルですが、盲点をつかれた感じ。考えついた人エライっ、と思う反面、人間と異質な知も感じます。たまたま私がお金や経済に疎いから、そう感じるだけなのかもしれませんが。
 
仮想通貨に採用された技術なので、今を生きる私たちからすると、「取引の記録を書き込むためのもの」のように感じますが、Siriなり、DeepMindなり、AIやビッグデータをブロックチェーンで結べば、神のような知を持ったご神託マシンやら、人間が決して勝てない対局相手が作れそうです。
 
 

AIによる橘中の楽

 
橘中きっちゅうたのしみという故事があります。
ミカンの木が巨大な実をつけたので、割ってみると、中に小さな仙人が二人で碁を打っていた、というよく分からないエピソードです。
 
プロの囲碁棋士イ・セドルがAIに負けた日から、人類がすべての頭脳戦でAIに勝てない日は近いと思うようになりました。
 

AI同士の対局の棋譜も公開されていたので、並べてみましたが、なんというか橘中の楽という感じです。
強い人の棋譜を並べても、囲碁が弱い私は分からないことばかりなので、偉そうなことは言えないのですが、ちょっと楽しそうな雰囲気があるのです。
また、2つのAIが、サラサラと碁を打っているのが、ちょっと面白いのです。
 
 

報道されない自由と自由じゃない社会

 
一人の天才マッドサイエンティストが、人知れずすごい装置を作り上げる、というドクター・モローの島というか、パノラマ島というか、ニコラ・テスラ的なカッコよさには強く憧れます。が、現実にはどうでしょう。
孤高の天才がすごい発明品を作った途端、大企業が「ここと、この部分は、我が社の特許ライセンスを侵害しています。どうです? クロスライセンス契約しましょう」という事態が起こるでしょう。
実につまらない!
 
また、この夏はメディアの「報道しない自由」などが露骨でしたし、ちょっと前に遡ると、STAP細胞のハナシなど、本当のところは何も分かりません(日本では、STAP論文はほぼ全て否定されたと結論づけられたのに、その後ドイツ・ハイデルベルク大学研究グループのSTAP細胞ありました的な論文発表、ハーバード大学で特許申請って、どういうこと?)。
 
 

ブロックチェーンの正体→生物都市への招待

 
あらゆることを知ると、絶望して死んでしまう? そんな物語もありますが、
あらゆることを知ったり、今の自分よりいろいろ先の予想ができたり、
自分とは違った物の見方を、自分の頭の中でできたら、案外楽しいのではないでしょうか。
 
AI同士の囲碁の棋譜からそんな楽しい雰囲気を感じ、諸星先生の「生物都市」を読み、仮想通貨の可能性を知ると、なんか楽しそうなんですよね。
 
仮想通貨を支える技術のブロックチェーンは、あれ仮想通貨のための技術じゃないですよ。
AI同士をつなぐ技術。そのための準備実験。
そうしてその技術を拡張して、もうね、ネットも、実社会も、AIも、人間も、ぜーんぶブロックチェーンでつなげて、経験したことも、考えたことも、すべてブロックチェーンに書き込むの。
トランザクション取引履歴は経験。
ブロックチェーンを通じて、他人の考えや知識・見聞したこと、出来事、AIが考えたことが、どんどん自分の思考に入ってくるのです。
 
それって、実現のされ方が異なっているだけで、内容としては生物都市と同じ。
すべて融合する。
諸星先生の生物都市では、そんな融合を繰り返すドロドロとした都市に一体化していく人物と、身につけた金属を捨て一体化を逃れた人物がいましたが、果たしてどちらが幸せなのでしょうか。自問自答しても、分かりません。
 
でも、どんどんブロックチェーン。
あらゆるものがつながって、AIも他人も自分も森羅万象すべて一体化していくぅ……
……
 
 

そんな夢を見ました(まさかの夢オチ!)。
やっぱ「夢」は集合知へのアクセスなんですかねぇ?
 
 

最後に

 
仮想通貨かそうつうか」って言葉、ヘンですよ。お金そのものが「仮想」ですから。
大昔には、なかったんだから。人間が、ある時に考えついた方法だから!
 
そんな「仮想カソウ」のオカネなんてものに縛られながら生きていく人生。
私は、下層仮想民じゃ。
(ダジャレやめれ)
 
 
※暗号通貨というのが正しいんでしょうね
 
 
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